ゾーン
2012年07月26日 (木) | 編集 |
私は、試合の数日前、もしくは数週間前に、生徒に試合の日、会場、集合時間、ルールを訊くことがあります。
最近は親がすべての世話をしてしまい、子供が試合の日も知らないということが驚くほど多いのです。

試合の日も知らず、当日の朝親に起こされ、寝ぼけながら朝食をとり、車の中で熟睡し、会場に着いたら親に起こされ、先生方や保護者・他の道場生に挨拶もしない。
試合前の練習も半分寝ぼけていて声も出さない。

そんな子が試合で勝てるはずがありません。


だから、私は親に

「朝起きなければ家に置いてきて結構です。それで棄権となっても私は怒りません。逆に全部親が何から何までやって、中途半端に負けるよりよほど本人のためになります。」

と、言っています。


朝はアラームをセットして自分で起きる。安全具や空手着は自分で用意してカバンにしまう。試合の日を予め調べておく。ルールをチェックしておく。
場合によっては、出場選手や事前にトーナメントが出ていれば、誰と当たるかを自分で調べておく。

(「場合によっては」と書いたのは、子供の性格により、これをしない方が良い選手もいるからです。)


これができる生徒で、不完全燃焼で負ける者はいません。


本番でボ~ッとして良いところなく負けたり、緊張してバランスを崩して負ける生徒は、多くの割合で事前の準備を怠っており、緊張感がないためにそのままのテンションで不完全燃焼となるか、急に緊張しガチガチになってポカをするかのどちらかです。


試合に緊張は必要です。緊張の度合いでパフォーマンスを最大限に発揮できる範囲をゾーンといいます。試合前に調子が悪いのに、いつも本番では実力を十分に発揮する選手は、このゾーンへの持って行き方が上手なのでしょう。

反面、試合になると実力が発揮できない選手は、ゾーンに持って行くことができないのだと思います。



私は、試合前に事前の準備やイメージをすることで、適度の緊張状態を維持していた方が精神的に良い状態で試合に臨めると思っています。


これは、試合前に限りません。常日頃から生活や練習に適度の緊張状態を持つほうが上達が早いのです。


私生活での緊張状態とは、親がビシビシと鍛えることではありません。
子供に家で役割を持たせ、必ずやらせることです。部屋の掃除、食事の用意・後片付け、ペットの散歩等、少しで良いので毎日何らかの役を義務付けさせ、実行させる。
実行しない時は相応のペナルティを課す。
一定期間欠かさずにできた時は、何らかの形で報酬を与える。


それだけで、子供の勝負強さは格段に上がります。緊張を日常化すれば、本番で緊張をコントロールすることができ、ゾーンに持って行くことが容易になります。




子供がやるべきことを話し合って実行させるまでは親の仕事です。親がそこまで子供と話し合って、子供の同意を得たら、あとは子供が実行すればいいだけです。

それを実行しないのであれば、子供は勝ちたくないのでしょう。



本番に強い生徒は、親がしっかりとそこまで子供にやらせていることが多いものです。
期待されながら今一歩で目標まで届かない生徒は、やはり私生活で緊張感が足りないのです。



面白いことに指導員間で、

「最近、〇〇は後輩の面倒をよく見るようになりましたね。それと率先して声を出している。」

なんて会話があると、その生徒は必ず試合で良い結果が出ています。

練習量は同じでも、練習中の気配りや集中力が身に付いたおかげで、本番でゾーンに持って行くことができた証拠です。

技術は練習量を増やせば向上します。体力も練習で向上させることができます。しかし、こういう精神的なものは、日頃の生活から律していかないとなかなか身に付くものではありません。



ですから、親の義務として、試合の日と場所・ルールだけは最低限子供に覚えさせることを忘れないでください。親の為の試合ではなく、子供自身の試合です。

ならば、子供は自らそれを知らなければなりません。
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