「しか」には「だけ」、「も」ならば「も・も・も」
2015年06月22日 (月) | 編集 |
最近の空手の試合を観ていると、随分とサッカーに似て来たなと感じます。先日のワールドカップ予選で、日本がまさかのシンガポールと引き分けてしまったことは記憶に新しいと思いますが、空手の団体戦も同じだと思います。相手のエース格の選手やポイントゲッターと勝てないまでも引き分けに持ち込めば、団体戦は有利に展開できます。それには、真っ向勝負を避けて引き気味に試合を進め、0-0のまま粘り、もし相手の集中力が途切れ隙があれば躊躇なく攻めるが、次の場面ではまた引き気味に試合を進めれば引き分けに持ち込むことができます。

では、逆の立場で相手が真っ向勝負をする気がない時に、どのように追い詰めてポイントを取るかという時の話です。例えば、これは個人戦でも団体戦でも言えることですが、大会で緊張した場面では、相手の集中力もMAXになっているし、中途半端な技ではすべてかわされるかカウンターをもらってしまいます。

こんな時に、普段どのように稽古に打ち込んでいるか選手を見ているとよくわかります。稽古のための稽古をしている者は、普段通用している技が本番では通用しません。試合のための稽古をしている者は、緊張状態でも通用する方法や、自分が不利な状況下での戦い方、格上の相手、逆体の場合等、様々な場面を予め想定してやっています。

稽古のための稽古か、試合のための稽古か、同じように一所懸命やっていても内容がまったく異なります。面白いものでこの稽古への取り組みは、年齢はあまり関係ないように思います。小学生でも試合のための稽古を行っている者もいれば、大人になっても稽古のための稽古しか出来ない者もいます。

結構、ゲーム脳の子供なんかはこういう部分の才能があったりして、稽古で様々なシュミレーションを立てていたりします。、

前置きがいつもの如く長くなりました。例えば、決勝戦で緊張した場面なると、自分の使える技も限定されてきます。相手も強いし、加えて最後の試合で集中力がありますから。
そんな時に、上段突きでポイントを取ろうとして上段突きばかり出す選手はすべてかわされて、試合の流れさえも相手に行ってしまう場合があります。上段突き「しか」なければ、相手は上段突き「だけ」注意していれば良いからです。

そんな時に、中段を1回で良いから見せておけば、展開が大きく変わってきます。中段突きでポイントを取れなくても、見せておくだけで良いのです。中段突き「」あるぞと思わせれば、相手は上段突きと、中段突きだけでなく、様々な技を想定し、あれも、それも、これも、とたくさんの「」を脳内でつくりだし、技を絞ることができなくなります。

また、自分よりも身体が小さく動き回る相手に、上段ばかり突くことは得策ではありません。そういう相手には下から攻めれば効果的です。足を軽く払うことで、相手に脛に払われた感触を残しておけば足が少し止まります。ダッキングをする相手には、中段突きと中段蹴りを見せておけばダッキングがしにくくなります。

相手の追い方も工夫が必要です。延々と短調に追い続け、相手を蝶のように舞わせてしまうと、どこかで蜂のように刺されてしまいます。まず、相手の足を止めてコーナーに追い込むか、場外に出すことも稽古中にやっておきたいものです。

今日の結論は、自分がこの技「しか」使わなければ、相手はその技「だけ」を注していれば良いので楽ですが、この技「」あるぞと見せておけば、相手はこれ「」、それ「」、あれ「」と的を絞りきれなくなる分、自分の得意な技が極まる確率が上がるということでした。

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