楽しむということ
2014年06月03日 (火) | 編集 |
「試合を楽しみたいと思います。」

このセリフは、オリンピックはじめ大きな大会に臨む選手たちからよく聞く言葉です。

「楽しむなんてことは、言語道断だ!」

こういうコメントを嫌う人もなかにはいるでしょう。

しかし、私は勝負を大いに楽しんでも良いのではないかと思っています。

ここで、楽しむということはどういうことかを考えてみましょう。

楽しむに該当する英単語は、funとenjoyがあります。実はこの2つ、大きな違いがあるのです。パーティや遊園地などで楽しい思いをするのは、funの方です。辞書を調べると「戯れる」「冗談」等、どちらかといえばあまり真剣ではない状況の時に用いられているようです。

一方、enjoyはどうでしょうか? 様々な辞書から抜粋すると、「楽しむ」以外に、「享受する」「経験する」「味わう」「喜びを得るまたは引き出す」等、単に楽しいというよりも、ある行為の結果喜びを見出すという意味に近いのではないかと思います。まあ、enjoyという単語自体、en(中へ、入る)と、joy(喜び、成功)の合成です。
つまり、自ら行動を起こし、その過程の充実度を楽しむという感じですかね。
特に、享受するということは、「受け入れて自分のものとする」「味わい楽しむこと」という意味です。

例えば、空手でいえば、「組手って楽しいなぁ」単に組手という行為そのものが楽しいのは、funの方です。しかし、自分の課題を見つけ、その課題を達成・克服するために努力する過程を味わい、目標への達成感を味わうことはまさにenjoyなのです。、

ですから、大会の優勝という目標を掲げ、優勝に向かって努力する。そして、迫りくるプレッシャーを跳ね除け試合に集中する。その過程や結果に充実感を感じるならば、楽しむことに大きな価値があると思います。

私は、上記の理由で、空手は大いに楽しむべきだと思います。多くは、enjoyの意味です。ただし、funがダメなのかといえば私はそうは思わないのです。なぜならば、自由な発想というのは、精神的にリラックスした状態の時がより得られるものです。ですから、組手でも、仔猫がじゃれつくように、遊びの延長で行う時にこそ、新技や独自のリズム、コンビネーション等が浮かんでくるのではないかと思っています。

また、今年の夏も全少・全中・インターハイ等、全国規模の大きな大会が2か月後に開催されます。そこに出られる選手は、優勝に向けて努力することに充実感を得て、勝負へのプレシャーを味わうことができます。緊張もするでしょう。しかし、この緊張は試合に出れる者だけが得られる特権です。誰でも味わえるものではないのです。不安だって、本気で勝とうと思えば誰だって不安になります。しかし、それさえも、選ばれたものの特権だと思えば、楽しみに変わるはずです。

惜しくも今回、全国の切符を得られなかった人達も、「全国の切符は次に取っておいたんだ」くらいの心境になって、次に勝つにはどうしたら良いか?を次回以降の全国優勝から逆算し、今何をすべきかを考えましょう。そしてそれを負けた瞬間からすぐに実行に移しましょう。

そうすれば、勝った者も負けた者も、みんな空手を楽しむことができるはずです。常に勝ちっぱなしの人間よりも、負け続けて挫折を何度も味わい、最後に勝った者の方がうれしさは何倍も大きいのです。

自分が今勝てないのは、将来勝った時に他人よりも何倍もうれしさを得るためだと思えば良いのではないでしょうか?

もう一度言いますよ。試合に向けて不安でいっぱいの人は、その不安こそが選ばれたものの特権だと思い、逆にそのプレッシャーを楽しみましょう。人間は、不安だから努力をするのです。何人もの王者を観ていると、結構ビビりの人間が多いものです。
ビビっているから努力をする。そして、ビビりがエスカレートして開き直った時に物凄い試合をして勝ってしまう。そんな選手が多いものです。

ビビりも私は一種の才能だと思っています。

王者の資質とは、最高に憶病で最後に思いっきり開き直れるところにあると思っています。

ですから、「空手はfunしてenjoyできなけれダメだ。」というのが私の結論です。

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コメント
この記事へのコメント
楽しむ
この記事は、組手のことが書いてありますが、形の場合はどうなんでしょう。
たまたま気になったので見てみました。匿名希望です。
2014/06/03(Tue) 22:15 | URL  |  #QMnOeBKU[ 編集]
形も単にやって楽しいというfunの部分と、うまくなる為に厳しい稽古にやりがいを見い出し、達成感に浸るenjoyの両方の要素が必要ではないかと思います。
2014/06/09(Mon) 23:07 | URL  | 月井 新 #-[ 編集]
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