身体を振る
2014年03月11日 (火) | 編集 |
相手が突いてきた時に、身体を仰け反らせて避けることをスウェイバックと言います。でも、スウェイバックで検索すると、姿勢が反った症状のことが最初に出てきちゃうんですよ。

まあ、このスウェイするのは、ボクシングではコモンテクニックです。ところが、これは日本人はあまり得意ではないんです。スウェイして突くと威力がなくなってしまいます。でも、海外の選手などは当たり前のようにスウェイで攻撃をかわし、反撃の突きも強いんです。

日本では、自分たちがやると強い突きが出せないので、ポイントにしない傾向にありますが、海外ではスウェイして反撃してもきれいに極まればポイントになります。

じゃあ、なぜ日本人はできなくて海外の人たちは当然のようにできるのでしょうか?これが問題なのです。理由が分かれば日本人にもできるはずです。

結論を行ってしまえば、中丹田(胸)の意識があるかどうかです。身体を中丹田で振ることができれば容易にスウェイできてしかもバランスも保つことができるのです。

丹田という言葉を使うと胡散臭く感じる人には別の説明が必要ですね。身体を振れるかどうかは、腸腰筋や背筋が強いかどうかが大きく関わっているように思います。
ですから、丹田という言葉を使わなくても、腸腰筋・背筋を鍛えれば同じような動きができるはずなのです。

この身体を振るとう動作は、信じられないくらい距離を稼ぐことができます。刻み突きでも身体を振る感覚で突くと、後ろ足を寄せなくても簡単に相手に届いてしまいます。
でも、前述のように上半身の必要な筋肉を鍛えていないとかえって技を崩すことになってしまいます。ですから、日本人選手で身体を自然に振れる選手は少ないと思います。

ある記事で読みましたが、日本人の腸腰筋の太さは、黒人の人たちの半分ほどしかないということです。私はこれを読んだ時に、だからスウェイするとバランスを崩してしまうんだなと思いました。


でも、日本人の中でも当たり前のようにバックステップしたり、スウェイをしても強い技を出せる選手がいます。純日本人でもいますが、外国の血が入っている選手などはほとんど自然にできますね。
でも、純日本人の感覚で指導すると、身体を振ったり上半身を使うことを否定してしまい、結果的にその選手の特性を潰してしまうことが多いものです。

私は純日本人ですが、海外生活が長かったので外国人の身体意識が理解できます。だから、なんでああいう動きになるのかということが、感覚的に理解できるのです。
日本人からすると一番対極にあるのが、黒人の人たちの身体意識ですが、私は幸運なことに最初に住んだのがアフリカです。生徒はみんな黒人でした。日本人と黒人という、両極端の身体意識を感じ取ることができたのは指導者として本当に幸運だったとしか言えません。

私が日本に18年前に戻ってきた時、日本人も生活様式が変わってきて、身体意識もこの数十年で随分と変わりました。外国人の身体意識に近い日本人がずいぶん増えたなと感じたものです。
ならば、空手の指導方法も、その特性を殺さずに活かしてあげないとせっかくの才能を潰してしまうことになるなと感じました。

事実、高校や大学で指導者が変わり、大きく伸びる場合もあればなぜか全く勝てなくなる場合もありますが、幾人かの生徒は「この子には他の生徒と同じ指導をしてはダメなのに」と感じることがあります。

形の判定も同様です。日本人の身体意識で形を判定すると、日本人が一番うまいに決まっているんです。でも、人種のるつぼの中で暮していると、他人種の身体意識が理解できるようになりますから、技の見方が変わってきます。


とはいっても、私はスウェイという技術は素晴らしいものだと思っていますから、日本人にももっと使ってもらいたいと思っています。
丹田や筋力とは異なるアプローチをするならば、スウェイした時に腹圧がかかっていればバランスを保てるし、反った体勢から反撃しても強い技が出るのです。
腹圧をかけるには、身体を捻らないことに加え、呼吸が大きく関わってきます。呼吸法をシッカリと指導できれば、空手の選手全員がスウェイして反撃という技を使うことができると思います。

また、上段を蹴る時に、上体をそのままにして蹴るか、つまり頭の位置を変えずに蹴るか、上体を倒しす力で足を振り上げるか、同じ上段の蹴りでも身体の使い方が全く異なります。
胸(中丹田)や頭(上丹田)の意識が強ければ、身体を倒す勢いで振り子のように脚を振り上げる蹴りが自然に出ます。


上体を倒して蹴れば、相手の突きは届きませんから、防御にもなります。

こういう多彩な身体操作を駆使して、超個性派の選手を育ててみたいと思う今日この頃です。

http://youtu.be/KN1fAQS0048
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