想定は最良の事態か最悪の事態か?
2013年05月31日 (金) | 編集 |
勝つ時は一方的に勝つが、負ける時はあっさり負ける。
練習の時はめっぽう強いが、大事な試合になるとなかなか勝てない。
スピードもパワーもそれほど目立たないが、いつも上位に名を連ねる。
プレッシャーがかかればかかるほど実力を発揮する。

選手にはいろいろなタイプがあります。上記のタイプは原因が決して一つではないので、「こういうタイプはこうなります」と一概に言えません。

ただ、普段の練習である程度は分かるのです。


誰とやっても自分の組手しかしない。得意な技しか出さず、どんなタイプにも同じ対応ばかりしている選手は、なかなかトーナメントを勝ち上がって頂点には行けないものです。

最近思うのは、何度も同じパターンで同じ選手に負ける子が多いと感じます。おそらく家庭で子供の役割がなく、つまりお手伝いをしたりせず、外で友達と遊ばなくなったことが一番の原因かと思います。
家の仕事や友人関係等、生活に工夫がないと智恵はつきません。もちろん、学校でもクラスの中で先生や同級生とやっていくのは知恵が必要です。
常に考え、「今よりもさらに良く」を考える子は、同じ間違いをしないものです。

これって、年齢ではないのです。中学生でも、いや大人でも工夫のない者はいますが、幼児や低学年でも感心するくらい智恵のある子がいます。


相手によって、またはそのたびに距離やタイミングを変えて攻撃している子がいると思えば、ひたすら必死に同じパターンだけやっている子。そういうタイプを見ていると、本番でもうダメだと思った時に、大逆転をして勝ってしまう選手と、あと一歩のところで大逆転される選手は、練習の時からそのようにやっていることがわかります。


単純に言うと、勝てる子は、常に最悪の事態を想定して技を出しています。
自分よりも動きの速い相手。
自分よりも長身の相手。
試合開始早々リードされた展開。
このような場面をおぼろげにでも想定して練習している子がごく一部ですがいるのです。

その逆が、最良の場面ばかりを想定して技を出す選手は、本番で想定外の事態が起こった時に、そのまま試合が終わってしまうことが多いのです。


随分前になりますが、ある高校の大きな大会に行った時、選手たちが練習会場で打ち込みをしていました。大きな声をだし、思い切り的になっている相手に打ち込む姿は、実に頼もしいもの…ではなかったのです。

大部分の選手は最初から思い切り自分の距離で打ち込んでいました。私は、「自分が最も打ちやすい距離から打っていたら、実戦では何もできないな」と観ていました。
一部の選手は、毎回異なるパターンで、それも最初からアクセル全開で行かず、徐々にスピードを上げて、様々なパターンを試していたのです。

本番では、どちらの選手が勝ったのか、言わなくてもわかりますよね。


でも、学校によっては最初から大きな気合いを出して全力で行かないと叱られる為に、自分本位の練習になってしまう場合があります。そういう学校にいろいろと試すタイプの選手がいたら、「まじめにやれ!」と先輩かコーチに叱られるかもしれません。


私は、プロ野球で選手時代の落合博満さんの大ファンでしたが、落合さんはロッテ時代に三冠王を3度獲りました。1987年に中日に移籍して、オープン戦で一度もバットを振らず、ファンから非難を受けています。落合さんにしてみれば、目が慣れておらず、身体も出来上がっていない時期に思い切りバットを振れば微妙に狂いが生じてくることがわかっていたから、全打席見逃しの三振をしていましたが、他から見れば手を抜いていたように思ったはずです。

また、ロッテ時代、バッティング練習で凡ゴロばかり打っていたので、当時チームメイトだった村田兆治氏が訊いたところ、3塁ランナーを返すために、意図的に芯を外してボテボテのゴロを打っていたと答えたそうです。

投手でも、大投手になれば、打たれても平気な時にあえて打者の得意なところに投げて、相手の調子と自分の球のキレを比較することがあります。例え、そこでホームランを打たれても、肝心な時に抑えるためにどうでもいい時に打たれているわけです。


それを考えると、空手でも野球でも、一流になる人間は同じなのだなとつくづく思います。
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