構え
2012年12月22日 (土) | 編集 |
前回、私は構えただけで勝負は8割方分かると書きました。姿勢もそうですが、双方の構えと攻撃パターンを比較すると、その選手の技がポイントになるかどうか、なりにくいならばどうすれば良いか等、すぐに分かるからです。

例えば、今大会染谷香予選手は神がかり的な強さを見せました。初戦から決勝戦までほぼ圧勝だったのです。決して相手選手が弱かったわけではありません。むしろ、実績では上の選手が何人もいました。

染谷選手の決勝戦の相手は、一見苦手なタイプでした。鍵は、相手の左のガードをどうやって崩すかにかかっていました。左を崩せれば今大会絶好調のツーステップでの攻撃が決まりますが、ガードを崩せないとカウンターでやられてしまうだろうという予想をしていました。

ところが、染谷選手は物凄い集中力で、その問題をあっさり解決しました。それは、空手の理想ともいえるもので、私は個人的に「これができれば一流、出来なければ二流」と選手を分けるほど、重要なことを彼女はしっかりと実践していたと言えます。

それは、相手が攻めようとした時に、自分が攻めるという、書けば単純ですが実際に行うのは難しい事です。それをほぼすべてのポイントは、相手が攻撃を仕掛けた時に自分から飛び込んでいってものでした。

構から、私は相手の選手は刻み突きを切り札に使ってくるだろうと、試合開始早々に感じました。焦って攻撃を仕掛ければ、刻み突きの餌食になっていたはずです。
ところが、染谷選手は逆に、相手が突いた時に自分も飛び込んでいたのです。最初のポイントは、刻み突きの相打ちだったと思いますが、染谷選手の方が若干集中力に勝っていたため、早く決まりました。その後は、相手の刻み突きに合わせて中段突き、蹴りに合わせて上段突きと、動けばことごとくポイントを奪いました。

その集中力と勇気には、恐れ入りました。


さてもう一つ、間合いで印象的だったのは、遠山選手が韓国選手とやった試合です。前半はこう着状態でしたが、相手の裏回し蹴りが決まると韓国選手のペースになり、最後も二度目の上段蹴りを浴びて敗れました。この選手は永木選手とも1勝1敗の五分の選手で、見た目はそれほどでもないのですが、実際にやると強い選手です。
この試合、上段蹴りが勝敗を分けたように思えるかもしれませんが、実はそうではありません。上段蹴りを食らうまでの伏線があるのです。

相手選手は右構えですから、遠山選手とは右同士となります。彼の右の手が、ちょうど遠山選手が中段を突けないところにあり、あの右手を何とかしない限り飛び込むことができませんでした。
せめて左右に振ったり、右手を触ったり、上段を突くふりをして中段を突く、蹴りを入れる等していれば、遠山選手のスピードで十分に勝つことができたのではないかと思いました。

相手選手は、時々スウィッチしたりして相手を振っていましたが、やはり日本ではスウィッチするという習慣がなく、またスウィッチによってどのような効果があるかも研究されていないので、スウィッチしている選手はほとんどいませんでした。
このように、構えた瞬間に自分が不利な状態にある時、どのように相手を崩していくかを考えることも、今後勝っていく上で重要になると思います。
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