メンタルタフネス 2
2012年10月15日 (月) | 編集 |
メンタルタフネスといえば、どうしても日本人は土壇場に弱いという印象があります。

私が海外での11年にわたるコーチの経験から、日本と外国で状況が大きく異なる点が挙げられます。

まず、「外国人にあって日本人にないもの」、それは宗教心と愛国心です。海外に出るとよく日本人も愛国心が強くなると言われますが、これだけはちょっとその国を訪問しただけでは分からないでしょうね。

イスラムの国は、試合前になると祈りを捧げます。そして、国の名誉のために己を捨てて戦います。日本人で神に祈り、国の名誉のために戦う選手はどれほどいるでしょうか?


この効果が凄いんですよ! 普段はヘナヘナして泣き言ばかり言っている奴が、いざ試合になって神に祈って国のために戦うと、立派な戦士になって勇敢に戦えるのです。神と国家の下では人格そのものが変わってしまうのです。

「だったら、普段からもっと努力しろよ」というのが、監督としての本音ではありましたが・・・。


特に途上国ではその傾向が強く、オリンピックでメダルなど獲得しようものなら、国中が大騒ぎするだけでなく株価まで上昇したりするので、経済的効果ももの凄い数字になります。

サッカーワールドカップでも、ある選手のせいで負けてしまい、国に帰ると射殺されたなんてこともありましたね。まあ、本当かどうかわかりませんが、負けたら強制収容所送りなんてなれば、そりゃ必死にならざるを得ません。
お隣の韓国も、オリンピックでのサッカーの対日本戦などは、勝てば兵役免除ですから必死さがまったく異なります。

ただ、これをメンタルタフネスといえるかどうかはわかりませんが・・・。

むしろ、勝っても賞金なし。負けても叩かれることがない。それでも必死で頑張っている日本人選手の方が、精神的には強いのかもしれません。
何もない中で、そういった目の前にニンジンをぶら下げられている外国人選手と戦っているわけですから。

そう考えると、日本人選手も捨てたものではないですよね。


さて、私はそれでも内弁慶な日本人の気質を変えるには、何らかの対策が必要だと思っています。一番良いのは、一人で格安チケットを買って、外国に行って空手を習い、大会にエントリーし戦ってくることだと思います。
それも誰の付添もなしで。

できれば、海外での大会を転戦し、1年の半分は海外なんて環境を作れれば最高です。

経済的にはそうとうな出費が必要で、勝っても賞金のない、そしてオリンピック種目でないのでスポンサーも付かない現在の空手界では難しい話でしょうけど。



私は、途上国のナショナルコーチを永年やっていましたから、そのあたりの事情は肌で感じています。

途上国だからスポーツに予算を大きく割いている国もあれば、国が貧乏でスポーツに割く予算などないという両極端に分けられ、私は後者の方でやっていました。



途上国なんかは、まず国際大会でベストチームを組むことさえできない国もあります。良い選手を育てても、予算がないから海外に連れて行けないのです。
私の場合、いくら国の監督でも半分の大会は自費で参加していました。選手も予算ゼロで、自費参加が多かったです。


そんな国は、いくら世界が広いといっても少ないと思いますが、少なくとも私がいた国はそうでした。

例えば、全費用が20万円かかるとします。日本であれば貯金で軽く行けるし、借金をしてもすぐに返せる額です。
でも、途上国の20万円は、下手をすれば年収の額です。


もしも、日本で国際大会の予算が降りず、自費で300万円かけて大会に出るかと言われれば、おそらく誰も出ないでしょう。
でも、途上国の選手は監督(私)も選手もその膨大な額を借金して海外の大会に出ていました。


私のナショナルコーチとしての給料は、現地の人間よりは遥かに多かったのですが、当時の日本のバブル時の新入社員の平均給料の何分の一の額でしたから、むしろ副業で生計を立てていました。


それも時給何円なんていうバイトでは指導に回るガソリン代も稼げないので、当時クーデター騒ぎや日本人の誘拐騒ぎが頻繁にあり、日本のマスコミを現場に案内(危険手当がつくので良い収入なのです)したり、TVのコマーシャルタレントをやっていたりと、そっち方面の仕事が多かったです。

現地入りするにも、その地区の酋長に話しを通し、許可をもらってから入らないと命の保証がないとか、Wanted(指名手配犯)で潜伏中の軍人にインタビューをするために、待ち合わせ場所で麻の袋を頭に被せられ車でアジトに連れて行かれたなんて、マンガみたいな話のオン・パレードでした。

当時の私はそういう仕事に飛びつかなければいけませんでした。何といっても1日で現地の1か月分の給料になりますから。



まあ、随分と話しが飛んでしまいましたが、今の選手にそんな危険な仕事で生計を立てて海外で暮らせなんてことは言いませんが、自分ひとりで何でもできるようにはなってもらいたいと思います。

海外旅行でも大手旅行代理店にツアーで高いチケットを取って、ホテルも送迎も何もかも付いている海外旅行は国内と同じです。

危ない真似をしろとは言いませんが、いついも安全に行くから海外の危なさがわからないこともあり、襲われることがあるのも事実です。

はやく、たくさんの日本人選手が、個人でエントリーして海外を転戦する姿を見てみたいと思います。

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